所長 小西 昭臣
私は東京の大手ゼネコンで、高層住宅や事務所、病院等様々な いわゆる技術面では最先端の建物を造る仕事に携わってきました。
建物をささえる構造や仕上げ技術、設備技術、そして建物を造る施工技術等の近年の進化はすばらしいものがありますが、しかし、その現代技術の粋を用いて建てた建物が、必ずしも心地よく、人が安らげるものだとは限らないことを常々感じていました。
ここ数十年、技術の粋を尽くし、よかれと思い多くの人が努力して造りあげてきた街に、美しさや潤いがなく、あまりにも多くの大切なものを置き去りにしているのではないかと感じていました。
現実の問題点として、現代の建築システムは、以下のような多くの矛盾点を含み二進も三進もいかなくなってきているのが現状です。
- 現代建築と自然との循環サイクルは、すでに成り立っていない
- ハード技術や素材を駆使しても必ずしも心地のよい建物ができるわけではない
- 建物のもつエネルギーが人や特にまわりの環境に与える影響を無視している
- 地震で起きた多くの問題点
▥ 自然の再生速度よりはるかに早い速度で消費を続けている。
▥ 自然から一方的に奪うだけで自然に還していない。
▥ 人間は物質的な側面以外の多くの要素からできている。
▥ 人は自分たちで造ったもので生命を失っている。
▥ 自然の創造物 (樹や草花など) は地震によって壊れない。
▥ 大量のゴミの発生 (自然界の生命に循環させていない) 。
これ以外にも多くの問題点があると思われますが、人間にとってのみ一時的に都合のよい建物のシステムは、もはや成立しないところにきているのは明らかです。
そして、その根底にあるのは、人間があまりに自然界と分離してしまっていることにあると考えられます。
そこで、何か変わるものがあるのではないかと思い、ゴミの再生や波動の研究を始めましたが、大企業の枠のなかでは本当にしたい事ができないと思い独立し、自分の理想とする建物を研究し、設計する仕事を始めました。
研究をしていく中で、建物のもつ形がその建物の内部だけでなく、外部の周辺環境にも大きな影響を与えており、人は素材だけでなく形そのものの持つエネルギーに、大きく影響されている ことを強く感じるようになりました。
さらに形の研究をしていく中でわかってきたことは、特定の形が植物や野菜などを長持ちさせたり、食べ物の味をマイルドにしたり、土地の持つエネルギーを良くしていく効果がある ということでした。
まさに現代文明が造り上げてきた 「酸化崩壊型」の場を、「蘇生型」に変えていく力をもつ『カタチ』がある ということでした。
そしてその『カタチ』は自然界の中に多く、まるで「隠し絵」のようにちりばめられているのです。
もともと自然界のもつ姿形は美しく、自由で、一見不規則にできているように見えますが、よく観察するとその中にとてもシンプルで美しいリズムが息づいているのが見えてきます。

そのリズムは単に美しいだけでなく、構造的にみても合理的で、エネルギー効率にも優れて います。
また、地震や風に対しても強い性質 を持っています。
現代建築の多くは四角を基本として造られていますが、四角い形は自然界を観察してもほとんどなく、またエネルギー効率も悪く構造的にもとても不安定と言えます。
四角い家(箱)は、経済や生産上の効率や創造性のなさによりできたもので、その家(箱)に人の生命をあわせているのは、たいへんおかしなことと言えます。
自然に住む動物の巣に四角は存在しない事から考えても、住処として自然な形とは言えないのではないでしょうか。
四角い画一的な建物の中で過ごすことは、人間の発想や真・善・美といったことに関する感性 がとじこめられたり、現代の 人の営みが均質化し、味気ない ものになってきている大きな原因の一つではないかと思われます。
もっと我々は自然の中にあるものから、謙虚に学ぶ必要があるようです。
自然の創りだす美しい草花や、木や雪や天に輝く星々のように、自由で調和がとれているものを建物として造れればと考えています。
真の意味での癒しや安らぎ があり、自由な創造性を養い成長していく場 こそが、建物の持ついちばん大切な意味ではないかと思います。
以上のような考え方を基にして、次のような基本方針で当研究所は設計をおこなっています。
当研究所では建物を、現代建築のように自然と隔絶したり、自然の循環の法則に逆らったりするものではなく、まず自然、宇宙があり、建物はその一部であり、その流れに沿った自然のエネルギーのスムーズな通り道の一つとして位置づけています。
大自然があり、その一部に人間に与えられた空間があり、そしてその場所にあった形状と材料が決まり、それを現実化するための技術があるという考え方です。
自然の中にはふたつと同じ形のものがないように、その土地にあった必然的な形があります。
そしてその形の中に、自然と宇宙がもつリズムと、自然の形がもつ構造的・機能的な合理性を取り入れていきます。
建物はたんなる「箱」ではなく、生き生きと成長する「生き物」と考えて設計しています。
これから迎える新しい時代に一番必要とされる、自然と人間の共生。
建物の『カタチ』がもつパワー(波動=エネルギー)で真に癒され、創造力が活性化され、生命の輝きが増すような建物づくりをKALPA建築研究所はめざしています。
- ▥ 自然循環サイクルにそった、自然と人間が共生する建物
▥ 内部環境のみならず外部環境や、土地の持つ波動エネルギーも良くしていく建物
▥ 建物の『カタチ』の持つエネルギーにより蘇生的な場を創りだす建物
▥ 人が本来持っている自由な創造性を引き出す建物
▥ 人が真に癒され安らげる建物
▥ 建物の中にいることで、より自然が近くなり自然と一体になる建物
▥ 自然と宇宙のリズムを取り入れた未来型建物




